第30回 日本ナイル・エチオピア学会学術大会 公開シンポジウム
アフリカと日本を世界農業遺産でむすぶ
人新世におけるアグロエコロジーの保全にむけた対話
シンポジウム趣旨
このシンポジウムでは、世界農業遺産(GIAHS)の登録・保全・利用に関わる可能性がある市民社会とアカデミアが一堂に会します。そして、ナイル・エチオピア地域の在来農業に関する知見の蓄積と、世界第2位の世界農業遺産登録地数を有する日本が、この地域のアグロエコロジーを保全するためにとりうる新たなアプローチについて考えます。そのために、FAO、 Slow Food、 地域研究者、農家そしてシンポジウムに参加するさまざまな方と共に、世界農業遺産を介して日本とナイル・エチオピア地域をむすぶ可能性についての自由な対話をおこないます。
プログラム
2021年4月17日(土) 14:00-16:45
(会場:ZOOMによる遠隔形式, 参加費:無料, 使用言語:日本語)
14:00~14:15 趣旨説明
内藤 直樹(徳島大学・准教授)
「アフリカ在来農業研究と日本の世界農業遺産をひらく」
14:15~14:45 基調講演
遠藤 芳英(FAO GIAHS Coordinator)
「FAO世界農業遺産事業の概要と東アフリカとの関連」
14:50~15:35 パネルディスカッション
渡邉 めぐみ(Slow Food Nippon・代表理事)
「消費を通じた食文化の保全:味の箱船とプレシディオについて」
藤本 武(富山大学・教授)
「アフリカにおける農業遺産の可能性:エチオピア西南部のエンセーテ栽培」
内藤 直樹(徳島大学・准教授)
「地域の農業遺産をむすぶ:日本における世界農業遺産の特徴と課題」
15:35~15:45 休憩
15:45~16:45 総合討論
コメンテーター:林 浩昭(国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会・会長)
参加申し込み
申込受付終了いたしました。多数のお申し込みありがとうございます。
ZOOMによる遠隔形式
※前日までに参加登録フォームへの申し込みが必要です。
一般参加歓迎(日本ナイル・エチオピア学会員以外も参加可能です)
スピーカー
遠藤 芳英
(国際連合食糧農業機関 気候変動・生物多様性・環境問題対策室・世界農業遺産 コーディネーター)
2002年に開始した世界農業遺産イニシアティブの運営に関する中心的役割を担ってきた。また、世界第2位の登録地数をもつ日本の世界農業遺産サイトの保全に関する諸アクターとの連携を強化してきた。
渡邉 めぐみ
(Slow Food Nippon・代表理事)
学生時代にSlow Food Youth Network, Tokyoを立ちあげ、2015年にスローフード協会が設立した食科学大学で修士号を取得。Slow Food Nipponの立ちあげから運営の中心的役割を担ってきた。
林 浩昭
(国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会・会長)
農学博士。2003年に東京大学大学院農学生命科学研究科を辞し、故郷である国東半島で農林業をはじめる。2013年に認定された世界農業遺産「クヌギ林とため池がつなぐ国東半島・宇佐の農林水産業循環(大分)」の動的保全活動での中心的役割を担っている。
藤本 武
(富山大学 学術研究部人文科学系・教授)
博士(人間・環境学)。エチオピアの農耕社会を対象にした長期のフィールドワークに基づく、在来農業や食文化の動態に関する人類学的研究をおこなってきた。 また近年はエチオピアだけでなく世界の多様な発酵食品についても関心をもって調べている。
内藤 直樹
(徳島大学大学院社会産業理工学研究部・准教授)
博士(地域研究)。東アフリカの牧畜社会や難民キャンプを対象にした人類学的研究。2018年に世界農業遺産に認定された「にし阿波の傾斜地農耕システム(徳島)」の申請に関わった。